【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法 オリエント三鷹クリニック

肺腺癌 術後再発 粟粒性肺転移 当院治療3年3ヶ月(イレッサ併用3年3ヶ月)

イレッサ併用
74歳の女性で、平成10年7月に左肺腺癌(病理で中分化型腺癌、papillary type、2.5×2.5cm、p-T1N2M0(n:#5#6に(+))の診断で左肺上葉切除とリンパ節郭清を総合病院で受けました。

9月と11月にシスプラチン(CDDP) 120mgとビンデシン(VDS) 4mgを2クール、その後、毎月定期的に検診をうけていたところ、4年後の平成14年10月のレントゲン検査と、11月のCT検査で、両肺野に粟粒大~米粒大の多数の陰影があり両肺内微小転移(粟粒性肺転移)と診断されました。

治療法がないこと、そして、予後は早ければ3ヶ月、遅くとも1年と告げられました。

初診は平成14年の12月の年の瀬もせまった暮れでした。

粟粒性肺転移にイレッサと新免疫療法が有効であることをある程度経験していましたので、イレッサ1日1錠(250mg)連日服用の処方を他院へ依頼すると同時に、新免疫療法(NITC)を開始しました。

治療開始後1ヶ月半位で、NCC-ST439は14 U/ml(基準値7.0 U/ml)が5.3 U/mlへと基準値内に入りましたが、逆にCEAとCA19-9は増加しました。

その頃、呼吸困難が発現し、「間質性肺炎を併発したのかあるいは、いよいよ肺腺癌(肺癌)の進行によるものか」と思われましたが、X線では悪化の所見が得られませんでした。

大学病院で精密検査の結果、呼吸困難の原因は、心不全とのことで治療が開始されました。

この間、イレッサを4日間だけ中断しただけなのに腫瘍マーカーは、1ヶ月間で、CA19-9が75 U/ml(基準値37 U/ml以下)から610 U/mlと著増しました。

この方の免疫能力は、初診時に著しく低く、Th1サイトカインのIFNγやIL-12の活性化は認められていません。

しかし、治療開始後1.5カ月目でNKT細胞比率と活性化NKT細胞比率の改善がやっと認められてきました。

その後、悪化傾向にあった腫瘍マーカーは順調に低下しつづけ、10ヶ月目の平成15年10月には、CEAは4.6 ng/ml(基準値5.0 ng/ml以下)とSpanⅠは26 U/ml(基準値30 U/ml以下)は基準値以内に入り、CA19-9も39 U/mlと改善しています。

5ヶ月後の平成15年5月の胸部CT画像では両肺野に特定できる腫瘍数は減少し、平成15年9月の胸部CT検査での腫瘍の減少を維持していました。

この方の免疫能力が充分でないことが、効果発現まで比較的長期間を要したものと推察されます。

平成15年10月に入り、肺腺癌も改善しつつありましたが、感冒にもかかり、イレッサの副作用の皮膚症状(鼻腔粘膜の炎症、壊疽)が悪化したこともあり、イレッサを隔日投与に減量しました。

その後、経過は維持されたのですが、平成16年7月頃からCEAが基準値内から6.5 ng/mlへと上昇ぎみとなり、平成16年8月の胸部CT上も増大となり、8月からイレッサを4日間のうち3日間投与することとし増量しました。

平成17年10月に、ふらつきと方向感覚に異常が出たので、脳のMRIをしたところ、脳転移が出現し、全脳照射を行なっています。

その後、リハビリを行い、自分のことはある程度できるようになりつつありました。

平成17年12月からは、イレッサ単独では限界があると判断し、イレッサの第2世代の分子標的薬タルセバ150mg/日を、3日間に1錠で併用しておりました。

イレッサもタルセバも3日間に1錠投与、すなわち3日のうち2日はいずれかを服用し残り1日は休薬となります。

タルセバ併用2ヵ月後の平成18年2月に入って、腫瘍マーカーのCEAは低下傾向を示していましたが、ホスピスの治療を希望されて治療を中断しました。
肺腺癌CT 検査画像の推移
免疫検査および腫瘍マーカーの経過 肺腺癌
肺腺癌 術後再発 粟粒性肺転移(PDF)
仕切り
新免疫療法によるがん治療の『TOP』に戻る
新免疫療法の『治療』に戻る
新免疫療法の『症例一覧』へ戻る
仕切り
Copyright(C) 2006-2017 Orient mitaka clinic All Rights Reserved.