【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法 オリエント三鷹クリニック

肺腺癌(肺癌) 肺内転移 両肺野のびまん性微細粒状転移 当院治療3年3か月間

イレッサ・タルセバ・アリムタ併用

患者様は1950年(昭和25年)生まれの57歳の女性です。

平成19年(2007年)10月に検診目的で青森県の内科医を受診し、左上肺野に陰影が認められ両肺野にびまん性の微細粒状陰影を指摘され、市立病院を紹介されました。

気管支生検の結果、低分化の肺腺癌(肺癌)と診断され、東京の癌専門病院を紹介されましたが、治療法が無いと言われ、平成19年11月に当院に来院されました。

初診時の胸部CT(平成19年10月)では、左上葉部に原発巣と考えられる陰影が認められ、左右の肺野にびまん性の微細粒状陰影が無数に認められています。(図1)

また、来院時の平成19年11月の胸部レントゲン像を示します。(図2)

来院時の腫瘍マーカーCEAが8.3ng/ml、CA72-4が5.8U/ml、STNが49U/mlといずれも高値を示しておりました。

免疫能力はTh1サイトカインのIFNγとIL-12はいずれも非活性でした。NK細胞比率、活性化NK細胞比率のいずれも非活性の状態でしたが、NKT細胞比率は29.7%と高く、その活性比率も17.3%と高い値を示しておりました。

イレッサの効果が期待できるかどうか判断する基準として、活性化NKT細胞比率が5%以上ある(P<0.05)と望ましいという条件(当院独自の基準)があります。

患者様はこの基準を満たしている事、また、イレッサは非東洋人に比べ東洋人に有効であり、非喫煙者は喫煙者より、女性は男性より、また肺腺癌はその他の肺癌よりも有効性が高いことが分かっています。

従って、この患者様はイレッサ併用による治療効果が期待できました。

初診時から新免疫療法(NITC)とイレッサの連日投与が入院して開始されました。

イレッサによる副作用は特別なものは無く40日目の腫瘍マーカーはCEAが3.7ng/ml、STNは29U/mlといずれも正常値に入りましたが、CA72-4は8.8と高値を示しておりました。

治療開始から約40日目の胸部レントゲン画像を図3に示します。

左肺野の主病変は著しく縮小瘢痕化が認められ両肺野のびまん性の微細粒状転移も縮小し消退が示唆されました。肺腺癌の原発巣は縮小率60.9%と診断されました。(図4)

治療開始後2ヶ月目の胸部CT画像(図6)で、肺腺癌の原発巣は93%の縮小と消退を示しました。
(各々の微小肺転移巣は消失し主病変もほほ線状影のみとなり、周囲の淡い浸潤影も更に薄く瘢痕と判定されています。)

平成20年3月初旬よりイレッサの投与量を連日投与から3日間のうち2日間投与という方法に減量をしました。
(出来るだけ有効期間を延長させる目的で減量する)
減量後40日目と3ヵ月後の胸部XPを図7、8に示します。

大きな変化が認められず、不変と判定しました。
平成20年9月のCTでは、1月のCTと比べると、肺野散布巣が増加し目立ってきていること、主病変ケバ立ち浸潤影も増加していることから、増悪と判定しましたが、腫瘍マーカーはまだ低下した状態を維持していることから、イレッサの増量はまだ行なわず、厳重に経過観察を行いました。

平成21年2月に行われたXPと2か月前に行われたXPを比較して散布巣と主病変に大きな変化は無いと判断されましたが、CEAが4.4 ng/mlから5.4 ng/mlへ上昇したことから、さらに進行していると判断し、イレッサの投与を3日投与・1日休みに増量しました。

また、この時、当院の超音波検査にて心のう水が少量貯留されていることが確認されています。

平成21年6月初旬、同年3月のXPで主病巣と散布巣の濃度が濃くなったこと、CEAが6.0に連続で上昇したことから、進行と判断しイレッサを連続投与に増量しましたが、今後はタルセバとイレッサの併用(交互に投与していく)を提案しました。

市立病院の主治医、患者様と相談した結果、6月下旬からイレッサを中止し、タルセバのみに変更することになりました。

平成21年6月のCT(図10)及びXP(図11)検査と同年3月のXPを比較したところ、散布巣は肥厚しS1+2に融合した病変が出現し進行と判断されました。

平成21年9月、心のう水の増加が確認され (図12)、平成21年10月から抜去を行っていきましたが、平成22年3月にタルセバは効果が無かったと判断、新免疫療法の方は免疫を上げることを優先するため、サメ軟骨を中止し海の酵母を追加しました。

そして、平成22年5月にアリムタを開始しましたが、平成23年2月(新免疫療法開始から3年3か月後)の診察が最終診察となり、残念ながら、翌月お亡くなりになられました。

この患者様は平成19年11月に肺腺癌の両肺の微小肺内転移で、癌専門病院にて治療法が無いと言われ、当院に来院されました。

新免疫療法とイレッサ、タルセバ、アリムタを併用しながら、平成21年10月(治療開始から1年11か月間)まで、PS1【軽度の症状があり肉体労働は制限を受けるが、歩行や軽労働(軽い家事など)、座業(事務など)などはできる】を維持され、約3年3か月間生存することができました。その間に、患者様は息子様の結婚式に参加され、初孫にお会いになることも出来ました。

肺腺癌 粟粒性肺転移 CT検査レントゲン画像の推移
肺腺癌 粟粒性肺転移 免疫検査結果の推移および腫瘍マーカーの推移
肺腺癌(肺癌) 肺内転移 両肺野のびまん性微細粒状転移 当院治療3年3か月間 症例 (pdf)
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