【症例報告】 新免疫療法によるがん免疫療法 オリエント三鷹クリニック

前立腺癌 慢性関節リウマチ合併 当院治療11ヶ月目で中止

ホルモン療法併用

元大手銀行の役員で、数十組以上の仲人をされ、平成18年のお正月には100人のお孫さんが出来たと顔をほころばせていた82歳の男性は、平成17年5月に当院の患者様説明会に参加され、そのまま初診となられた方です。

平成17年4月に、都内の総合病院で生検組織検査し、前立腺癌(中分化型腺癌)と診断されており、総合病院の主治医からは骨転移の可能性もあると言われて、かなり落ち込んでおられました。

新免疫療法(NITC)では、前立腺癌のみでなく、もし骨病変があっても、Th1サイトカインが出ていれば良好な経過をとることもできる可能性を説明しました。 

初診時の前立腺癌の腫瘍マーカーPSAは63 ng/ml(基準値4.0 ng/ml以下)、溶骨性骨転移のマーカーである1CTPは2.6 ng/ml(基準値4.5 ng/ml未満)で、また、造骨性骨転移マーカーである骨型ALPは13.6 U/ml(基準値:男性29.5 U/ml以下、女性28.3 U/ml以下)でした。

この2つの骨マーカーがいずれも基準値内であったので、骨転移の可能性は低いと説明しました。尚、後日の骨シンチで骨転移は否定されています。

この時の免疫力をみますと、IFNγが8.5 IU/mlと低めですが、IL-12は10.3 pg/mlと高く、前立腺癌の攻撃に力を発揮するNK細胞比率17.7%(11.0%以上が活性化)と活性化NK細胞比率は16.6%(10%以上が活性化)のいずれもが高値を示していましたので、強い免疫力を持っていると説明しました。

開始後4日目からホルモン療法のプロスタール1錠/日が併用され、2週間目の血液検査では、PSAは63 ng/mlから37 ng/mlへと低下しました。

1ヶ月目の6月中旬より、カソディクスを1日1錠、ゾラディクスを月に1回が開始されています。

4ヶ月目の9月には、PSAは3.3 ng/mlへと低下し基準値範囲内に入り、その後も維持されております。

また、エコーによる画像診断では、治療開始後1ヶ月目の6月に2.3 cm×1.3 cm×1.8 cm大の腫瘍は、3ヶ月目の8月のエコーでは消失し、10ヵ月後の平成18年3月のエコーでも消失したままです。

この患者様は、慢性関節リウマチを併発しており(リウマチ反応も陽性です)、あまり免疫能力を上昇できません。

すなわち、Th1サイトカインのIFNγやIL-12を亢進させすぎると、朝の手足関節のコワバリや関節の腫脹を起こすことが分かっています。

こういう場合は、IL-X、クレスチンおよびIL-Yの投与量を減らさなければなりません。

この患者様の場合は、治療開始から5か月後に、クレスチン3包/隔日を1包/日へ、IL-Yは12カプセル/日から8カプセル/日へ、IL-Xは6 g/日から4 g/日、サメ軟骨は10g/日から5g/日へ減らしました。

そして、治療開始から10か月後(平成18年3月)より、エコー検査で腫瘍消失が維持されていることが確認されたので、サメ軟骨、クレスチンはそのままで、ILYを4カプセル/日、ILXを2g/日に減量し、免疫賦活剤SPGの筋肉注射及びOK432の経口投与を中止しました。

翌月、上記の処方でもリウマチの症状が出てくるとのことで、患者様の判断でILYを2カプセル/日、クレスチンを1/2包/日に減量しているとの報告を受けました。

そして、患者様のご希望で、平成18年4月中旬から新免疫療法(NITC)を一時中止し、リウマチの治療に専念することになりました。

自己免疫疾患を持っている患者様では、本来Th1サイトカインの産生能力は遺伝レベルで亢進しているため癌の治療にとっては有効なのですが、自己免疫疾患を併発させてしまいますので、免疫、特にTh1サイトカインを高からず低からずコントロールしながら治療することが大切となります。

前立腺がん 免疫検査の推移および腫瘍マーカーの推移

前立腺がん 比較画像
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