当院の初診は平成10年(1998年)9月の55歳の時で、総合病院でフォローアップしながら新免疫療法(NITC)を開始することになりました。
治療開始から1ヵ月後に写した写真を図1-1に示します。右乳房は崩れて潰瘍を形成しております。また、左乳頭は陥没して胸壁に浸潤している所見が認められ切除不能と判断されました。
初診時の平成10年9月の腫瘍マーカーはCEA、IAP、CA19-9、NCC-ST439(以下NCC)、CA15-3、BCA、SLX-1の乳癌関連抗原は正常範囲内でしたが、骨転移のマーカーであるICTPのみが6.0ng/ml(基準値4.5以下)と高値を示しておりました。
この時、免疫力を示すIFNγ値は6.7U/ml(10以上が活性化)と非活性で、IL-12も7.7pg/ml以下(7.8以上が活性化)と非活性でした。
ICTPは平成11年2月、新免疫療法(NITC)開始後6ヶ月目に正常化し、その後は低下したままです。免疫能力は3ヶ月目でIFNγが79.3IU/ml、そしてIL-12が69.8pg/mlと著明な改善が認められました。この免疫能力はその後も良好な活性を示し続けておりました。
NKTとNK細胞については、平成12年(2000年)10月に初めて測定しました。NK細胞比率と活性化NK細胞比率は平成14年(2002年)4月から基準値を超え、良好な経過をたどっています。一方、NKT細胞比率と活性化NKT細胞比率は、基準値近辺を横ばいに推移する傾向を示しています。従ってこの患者様はNKT細胞よりもNK細胞の方が優位に働いていると推察されます。



