●2006年9月29日、東京高等裁判所にて故菊地園子氏との損害賠償請求訴訟が和解に至りました。当方は同日記者クラブにて記者会見を行い、下記のプレスリリースを出しました。

1 本件訴訟の概要
本件訴訟は、乳癌治療で当クリニックを訪れその治療を受けた菊地園子さんの死亡に関するものです。菊地さんの遺族は当クリニックらを被告として、当クリニックが癌の免疫的治療法に関する説明義務を尽くさなかったとして、この死亡に関する損害賠償請求を当クリニックに求めました。
遺族側は、当クリニックは免疫療法についての治療を開始するにあたり、「新免疫療法には十分な治療効果はない」とか、「菊地さんに対して外科手術が必要であった」といった点を説明する義務があったのにこれを怠ったと主張しました。これに対して、東京地方裁判所は、これらの主張の医学的検証をほとんど行わないまま、遺族側の主張を鵜呑みにして、当クリニックの免疫療法の治療効果を実質的に否定し、新免疫療法に関しその治療効果を自ら否定せよと言うにも等しい不当な説明義務の存在を認めて、当クリニックに説明義務違反を原因として菊地さんの死亡についての損害賠償を命じました。当クリニックはこの判決に控訴し、本日、控訴審において和解が成立することとなりました。
2 本件事案の概要及び和解内容の説明
この事案の特殊性は、菊地さんが輸血を伴う外科手術を拒絶するエホバの証人の信者であったことです。したがって、菊地さんは、輸血を伴う外科手術を拒否しており、当クリニックが外科手術を受けるべきである旨の説明を繰り返し行ったにもかかわらず、菊地さんに納得していただけなかったという特殊な事情がありました。菊地さんは外科手術を拒否して当クリニックの免疫療法を受けましたが、通院頻度が極端に低く治療に十分に専念してもらえないまま病状の好転を見ることができず死亡に至られました。
菊地さんは、他の病院において外科手術を拒絶しており、御自身の信仰上の確信に基づいて、最後まで外科手術を拒否しておられました。
このような特殊な事案で医師としてどこまで外科手術を勧めるべきかは難しい問題があります。当クリニックは、菊地さんに外科手術をお勧めしましたが、免疫療法を行うために外科手術を妨害したことはなく、外科手術によれば延命していたかもしれない菊地さんの死亡について責任を問われる立場にはありません。そのことが前提になりますが、なおかつ、免疫療法の対象者が外科手術を受けることなく、死亡したという重い事実の前に、さらに懇切丁寧に強く外科手術を薦めるべきであったということを認めて、今回の和解においては、菊地さんの御遺族に慰謝料をお支払いすることとなりました。
もっとも、控訴審の和解は、癌治療法としての免疫療法の治療効果はこれを前提とするものであり、東京地方裁判所の判断とは立場を異にするものです。この和解をもって東京地方裁判所の不当な判断は根本的に覆されたものと思います。
なお、当クリニックの刊行物の一部に不適切な表現があり、免疫療法に対して誤解を招きかねない旨の御批判が寄せられておりましたが、当クリニックはこの御批判を謙虚に受けとめて、刊行物を絶版としております。近日中に新たな出版物を出す予定です。この中には最新の治療実績も盛り込む所存です。
亡くなられた菊地さんのご冥福を祈るとともに、皆様の免疫療法に対する御理解と御支援をお願い申し上げます。
オリエント三鷹クリニック
院長 八木田旭邦
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