【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法 オリエント三鷹クリニック

乳癌 骨転移 肺転移 当院治療14年2か月経過

抗癌剤・ホルモン療法併用

患者様は昭和13年生まれの女性で、昭和59年(1984年)2月に東京の大学病院で左乳癌の診断で拡大乳房切断術を受け、術後療法は行なわず、年1回の経過観察をしていました。

その後16年間何事もなく経過していましたが、平成12年(2000年)8月、62歳のときに声が出なくなり、九州の国立病院でCT検査にて乳癌の肺転移及び縦隔リンパ節転移が認められました。

また、骨シンチにより左股関節、肩甲骨、肋骨に多発骨転移が指摘され、肺の病巣については同年11月胸腔鏡手術で左肺上葉の陰影3ヶ所の内1ヶ所を切除し組織学的には乳癌の転移と診断されました。

経口抗癌剤(アフェマ)とホルモン療法(フェアストン)を行ないました。

ご本人の話しでは余命を3年と宣告を受けたとのことです。

平成13年(2001年)1月、64歳の時に近畿大学腫瘍免疫等研究所に新免疫療法を希望されて来院されました。

この時、左肺上葉に乳癌の肺転移と左頸部リンパ節2個及び乳癌の多発骨転移の骨シンチ集積像が指摘されております。

初診時の腫瘍マーカーはNCC-ST439が79U/ml(7.0以下)と高い値を示しております。

免疫能力はIFNγが5.7IU/ml(10以上が活性化)と低い値を示しIL-12は11.0pg/mlと活性値を示しています。

しかし、2ヵ月後にはIFNγ値は11.3IU/ml、IL-12は19.4pg/mlと活性化し以後は高い値を示しております。

NK細胞とNKT細胞はNKT細胞のみが活性化している状態でした。
4ヶ月後の平成13年(2001年)5月にNCC-ST439が42U/mlまで低下しましたが、平成14年(2002年)8月、NCC-ST439が57U/mlと悪化したため、免疫力向上を目的にパン酵母を増量しました。

さらに、平成15年(2003年)2月(新免疫療法開始から2年1か月後)のCT検査で肺転移が悪化したことから、抗癌剤(UFT)とホルモン療法(ヒスロン)に変更されました。

平成15年(2003年)6月に東海地域の癌専門病院に転院し、骨シンチを受けたところ、すなわち新免疫療法を開始して2年半で、乳癌の骨転移を疑わせる異常集積像は消失しておりました。

一方、同月に行われたCT検査では乳癌が転移した左肺上葉の腫瘤は同年2月に比べて縮小はしているものの、大きさは13mm大(図1-a)との所見を頂きました。

平成15年(2003年)8月にはNCC-ST439は20台に低下し、IFNγは48.7IU/ml、IL-12は69pg/mlまで改善しました。

そして、平成15年(2003年)12月にはNCC-ST439は10台まで低下しました。

その後の乳癌が転移した左肺上葉の腫瘤は、CT検査にて平成16年(2004年)3月若干の縮小、同年10月は変化なしと良好な経過を辿りました。

また、平成17年(2005年)7月、平成18年(2006年)12月の骨シンチでも明らかな骨転移なしと診断され、骨転移は消失を維持しています。

また、平成19年(2007年) 11月(開始から6年10か月後)の胸部CTは(図1-b)、左上葉の肺陰影は若干の増大傾向がみとめられるものの大きな変化は認められません。

平成20年7月にCEAが6.4ng/mlと異常高値を示したのでホルモン剤のアロマシン1T/日を投与しました。

その後、平成20年(2008年)8月の検査で、CEAは正常値に低下しましたが、手指の関節痛が出現した事から、同年11月よりアルミデックス1T/日に変更しました。

平成20年10月(開始から7年9か月後)の胸部CT画像(図1-c)は一年前の画像に比べ、腫瘍の長径が増加傾向を示したことから、平成21年1月より癌専門病院にて抗癌剤ゼローダの併用が開始されました。

その後、平成21年5月(治療開始から8年4か月後)に行われた癌専門病院でのPET-CT検査では、前回検査の平成20年12月の画像と比較し、縦隔転移と左肺転移は概ね変化はなく、ほかに明らかな異常集積は見られないとの所見を頂きました。

平成23年平成23年10月、食欲があり調子は良いが、ホルモン療法の副作用があるとのことでした。平成24年3月、主治医のもとでレントゲン検査を行いましたが特に変化は無いとのことでした。

平成25年3月(当院治療開始から12年1か月後)、大学病院でのPET-CT検査で左肺の結節が拡大傾向、縦隔のリンパ節転移の集積は低下傾向、大動脈近傍の集積は増加傾向と診断され、同時に行われた血液検査の腫瘍マーカーCEAが7.3 ng/ml(基準値5.0以下)、シリアルLeX抗原は75 U/ml(基準値8.0以下)と上昇したとのことでした。

これを受け、新免疫療法の処方は、免疫を上げることを優先するために海由来の酵母製品を追加し、サメ軟骨製品を中止しました。
同年4月の診察時、CEAは6.4ng/mlと大きな変化は無く、サイトカインのIL-12は95.4 pg/ml、IFNγは45.5 IU/mlと良好な値を示しておりました。

しかし、同年8月国立病院の検査で左肺の転移が増大しているとの指摘をうけたため、点滴の抗癌剤タキソールを行うことになりました。

この時、免疫を維持しながら副作用を抑えるためにタキソールを60 mg/bodyで3週投与・1週休みの低容量で施行する案を提案しましたが、主治医の判断で通常量の毎週の投与で施行しました。同年11月のCT検査で画像上縮小していましたが、副作用が現れたのでタキソールを続けられなくなりました。

平成26年3月(当院治療開始から13年2か月後)現在、主治医のもとで抗癌剤をTS-1・100 mg、2週投与・1週休みで併用してく方針と連絡を受けましたが、投与量を75 mgまで減量し低容量で行うように提案させて頂いたところです。


平成26年9月の診察では、食欲もあり、主治医のもとでTS-1:80 mgを4週投与・2週休を継続されていると報告を受けました。

また、平成27年4月の診察時もTS-1を継続しているとのことです。

今後も生活の質(QOL)を保てるように検討しながら厳重に経過観察していきたいと考えています。

乳癌 肺転移 症例 CT画像比較
乳癌 肺転移 免疫検査および腫瘍マーカーの推移
乳癌 骨転移 肺転移 当院治療14年2か月経過(PDF)
仕切り
新免疫療法によるがん治療の『TOP』に戻る
新免疫療法の『治療』に戻る
新免疫療法の『症例一覧』へ戻る
仕切り
Copyright(C) 2006-2017 Orient mitaka clinic All Rights Reserved.