【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法 オリエント三鷹クリニック

S状結腸癌(大腸癌) 多発肝臓転移の術後有効例 当院治療10年8か月経過

抗癌剤併用、ラジオ波併用、胸腔鏡手術、放射線併用

患者様は51歳の女性で、平成18年(2006年)7月下旬に便秘と腹部膨満感があり、近くの公立病院へ緊急入院しました。

精査にて、S状結腸癌(大腸癌)、多発肝転移(少なくとも右葉に限局して9個以上)と診断され、8月上旬にS状結腸切除術を施行されました。

術中診断はStageⅣ(N2H2P0)でした。

S状結腸癌(大腸癌)の手術後より、主治医の承諾のもとに、平成18年8月から新免疫療法(NITC)を開始しました。

3分粥が開始したらIL-X 6.0g/日、IL-Y 12カプセル/日を、5分粥が開始したらさらにサメ軟骨7.5g/日を服用していただきました。

手術後2週目より、抗癌剤FOLFORIが、2週に1回の割合で投与開始されました。

8月下旬の腫瘍マーカーは、CEAが116 ng/ml(基準値5.0 ng/ml以下)、Ca19-9が318 U/ml(基準値37.0U/ml以下)と高値を示していました。

免疫能力は、IFNγが8.3 IU/mlと活性化以下(10 IU/ml以上で活性化)でしたが、IL-12は32.5 pg/ml(7.8 pg/ml以上で活性化)と高い値を示していました。

しかし、Th1/Th2比と、NKとNKT活性は高い値を示しませんでした。

新免疫療法開始より7週目の9月末の腫瘍マーカーは、CEAが半分以下の39.1 ng/ml、Ca19-9は132 U/mlといずれも低下しています。

当院のエコー検査では、肝右葉において、後区域に79×66×65mm大の一塊となった腫瘍(図3-a)、前上区域には27×21mm大と22×20mm大の腫瘍(S状結腸癌(大腸癌)の肝臓転移)が認められました。

また、平成18年10月末にはCEAが10.9 ng/ml、と高値でしたがCa19-9は21.6 U/mlは正常値域に入りました。

また、このときの免疫能力は、IFNγが23.3 IU/mlと活性化され、IL-12は84.6 pg/mlと非常に高い値を示しています。

更に、平成18年11月(治療開始から3か月後)、CEAが3.1 ng/ml、Ca19-9は7.5 U/mlといずれも正常値域内に入っています。

FOLFORIの化学療法は7回終了し、エコー検査では、後区域の腫瘍が57×50×50mm大まで縮小し輪郭が不明瞭となっていました。(図3-b)

そして、平成18年12月(治療開始から4ヶ月後)、エコー検査で全てのS状結腸癌(大腸癌)の肝転移の消失を確認でき、抗癌剤治療が中止されました(図3-c)。

その後、新免疫療法(NITC)単独で治療を行い、翌月の平成19年(2007年)1月のCEAは0.7ng/ml、そしてCa19-9は3.9U/mlと基準値以内と良好で、エコー検査も1ヶ月に1回行い、厳重に経過観察を続けておりました。

 

免疫検査と腫瘍マーカーの推移 大腸癌(S状結腸癌)の症例 新免疫療法によるがん免疫療法
大腸癌(S状結腸癌) 症例 肝臓転移 超音波検査の推移

【1回目の再発】
しかし、平成19年9月(治療開始から約1年後)に、正常範囲内ではありますがCEAが1.8ng/mlとCa19-9が11.4U/mlと上昇傾向を示し、3週間後の平成19年9月末日のCEAは4.4ng/ml、Ca19-9は27.1U/mlと連続で上昇が認められたため、再発の可能性が否定できず、2週間後に腫瘍マーカー検査(通常は月に1回)をしたところCEAが6.4ng/ml、Ca19-9が40.3と異常値を示したことから、再発と判断しました。

直ちに中断していた抗癌剤FOLFORIの併用を開始し、免疫活性物質の海産の酵母を倍量に増やしました。

平成19年10月末のCEAは12.1ng/ml、Ca19-9は46.9U/mlと異常値を示し、この時のエコー検査ではS7に17×17×9mm、S6に29×29×19mm、S5に22×20×19mmの肝転移が明らかとなりました。(図4-a)


抗癌剤投与3回目の平成19年12月初旬、CEAは1.8ng/ml、Ca19-9が9.6U/mlと正常領域に入りエコー検査でも明確な境界が無くなり、内部構造も転移性腫瘍の特徴が消失しました(図4-b)。


抗癌剤5回目の投与が行なわれた平成19年12月下旬、CEAが0.7ng/ml、Ca19-9が3.9U/mlと低下したままで、エコー検査では肝内の腫瘍はさらに不明瞭になり、残存転移性肝腫瘍の存在が疑われるのはS6の17×15mmだけになり、抗癌剤FOLFORIは 平成20年2月下旬で中止し(合計9回)、新免疫療法単独で経過をみることとなりました。


この間、平成20年3月(治療開始から1年7か月後)初旬(図4-c)及び中旬の2回のエコー検査では残存腫瘍が否定できない状態でしたが、腫瘍マーカーCEAは0.5ng/ml以下、Ca19-9も3.1U/mlと基準値以下で、その後の平成20年6月初旬(治療開始から1年10か月後)のエコー検査(図4-d)では再び転移性肝腫瘍のパターンの消失が確認され、その1ヵ月後のエコー検査(7月)でも異常はなく、良好な経過を辿りました。


【2回目の再発】
しかし、平成20年11月(治療開始から2年4か月後)の当院エコー検査にて、肝S6に32×30×17mmの影が表れ、平成20年12月腫瘍マーカーCEAが正常範囲内の推移ですが、0.7 ng/mlから1.3 ng/mlと上昇し、平成21年1月CEAが2.6 ng/mlと連続で上昇し、当院エコー検査にて38×45×30mmと増大したため、再発と判断しました。
さらに、平成21年2月の腫瘍マーカーCEAは8.4 ng/mlと上昇。

直ちに、公立病院で抗癌剤FOLFORIを1年ぶりに再開し、平成21年6月までの合計8回行いました。抗癌剤はこれで中止し新免疫療法単独で経過をみることになりました。

平成21年7月、腫瘍マーカーCEAが0.6 ng/mlに改善、当院エコー検査で肝転移の境界が不明瞭となり、同年8月のエコー検査でも境界が狭くなった上でさらに不明瞭となり、改善傾向が継続されていると判断しました。
また、公立病院主治医からCTでかなり縮小と報告が入りました。


【3回目の再発】
しかし、平成21年10月初旬(治療開始から3年2か月後)、当院エコー検査で不明瞭になっていた範囲が若干の増大。

腫瘍マーカーCEAも1.0 ng/mlから2.8 ng/mlに増加。再発の疑いが強く、現在の治療では進行を抑えきれないと判断し、抗癌剤をTS-1に変更しましたが、副作用が強く出たため、投与開始から3日目に中止となり、TS-1は施行できませんでした。


そこで、今後の治療方針を再度検討する運びとなり、ご家族、患者様と相談した結果、大学病院のラジオ波を併用する方針となりました。
ラジオ波は免疫に与える影響が少ないため、新免疫療法と併用することで相乗効果が期待できると考えられます。


平成21年12月(治療開始から3年4か月後)、1回目のラジオ波を行いました。

施行から2か月前の同年10月の当院エコー検査では36×40×35mm大のS状結腸癌(大腸癌)の肝臓転移が確認されております。施術は2度行われ、確認できた肝臓転移は全て焼き尽くせたと報告を受けました。

そして、平成22年1月、抗癌剤FOLFORI再開。また、アバスチンも追加する方針となり、経済的な理由から平成23年2月よりから新免疫療法の食品を1種類に、免疫賦活剤の筋肉注射及び経口投与を2か月に1回に、減量することになりました。


平成22年4月の大学病院のCTで肝臓転移の再発は無いと報告を受けましたが、抗癌剤は継続し続け、3か月ごとにCT検査を行いながら経過観察する方針となりました。


【4回目の再発】
しかし、平成23年7月(治療開始から4年11か月後)、CEAが3.0 ng/mlに上昇。大学病院のCT検査にて2.3×2.3cmのS状結腸癌(大腸癌)の肝臓転移が再発と判断され2回目のラジオ波を行いました。

今回は1度の施行で済みましたが、抗癌剤FOLFOLI+アバスチンは引き続き継続する方針となりました。


その後、平成23年11月大学病院のCT検査で異常なしとなり、患者様のご希望で抗癌剤治療の併用は平成24年1月を最後に中止し、新免疫療法単独で経過を診ています。
平成24年2月、平成24年5月の大学病院のCT検査で異常なしと報告を受けました。


【肺転移の出現】
平成24年(2012年)8月末(治療開始から6年後)大学病院の検査で左肺上葉に11×9×9 mmの転移が1か所出現しました。直ちに大学病院にて同年9月末に胸腔鏡手術で左肺上葉を切除しました。

術後の組織診断で大腸癌の転移であることが確認されました。
また、平成24年11月末のCT検査で肺に転移の疑いがあるとの指摘があり、厳重に経過を観察することになりました。


平成24年12月初旬(治療開始から6年3か月後)から抗癌剤治療を開始。

平成25年(2013年)2月初旬のCT検査では、前回に指摘された肺転移の疑いがある結節はやや不明瞭化したとのこと。その他の肺転移の疑いは無いと報告をうけました。

そして、抗癌剤(FOLFIRI)は公立病院にて行い、平成24年12月に2回、平成25年1月に1回、2月に1回、4月中旬に1回で終了となりました。


平成25年5月初旬のCT検査では前回、前々回の結果と比較して著変なしと診断されました。
平成25年8月下旬のCT検査では肝臓への再発はない、肺転移の疑いは残るが、変化は無いとのことでした。


【5回目の再発】
平成25年12月初旬(7年3か月後)CT検査にて肝臓S8部分にS状結腸癌(大腸癌)の肝臓転移の再発の疑い。直ちに大学病院でラジオ波を施行し転移を焼却しました。肺に関しては変化が無いこと、新たな肺結節も指摘されませんでした。


平成26年(2014年)2月初旬にPET-CT検査を行い、肝臓転移なし、肺転移なし、その他の転移は指摘されないと報告されました。

また、抗癌剤を月に1回のペースで再開する方針となりました。

同年6月のCT検査でも新たな肝転移巣は指摘できない。肺に新たな結節の出現は無いとのことでした。


平成26年9月(97.3か月後)CT検査にて新たな肝病変は指摘できない、左肺すりガラス結節は変化なし、右肺すりガラス結節も著変なしと診断されました。食欲はあるが、運動障害及び関節痛があったため、この月は抗癌剤を休みとなりました。その後、抗癌剤は継続されております。

【6回目の再発】
平成27年01月(100.6か月後)CT検査にて肝転移(肝S7)の再発。同年2月ラジオ波により寛解しました。


【7回目の再発】
平成27年06月PET検査、同年07月CT検査にて再発の疑い。7月中旬の超音波検査で再発の判断がなされラジオ波を行いました。その後、肝機能障害があらわれたため、抗癌剤は見合わせることになりました。

【腹膜播腫・皮膚転移・肺転移の出現】
平成27年10月に腹膜播腫1cm程度が確認されました。平成28年2月に腹膜播種は2cm弱と増大、また背部に皮膚転移が出現し生検が行われました。この時、肝機能障害が続いておりました。

同年5月から免疫力を改善させるために、新免疫療法の処方を医薬品1種、食品2種まで増量しました。

平成28年6月に肝機能が改善したことから、同月から公立病院にて抗癌剤を再開しました。
これまで行ってきたFOLFIRIに薬剤耐性ができたと判断され、FOLFOX(オキザリプラチン+5FU)+アバスチンが選択されました。

平成28年8月公立病院で行われたレントゲン検査で右肺野に1~3cmの多数の転移、左肺野には3か所程度の肺転移が確認されております。

抗癌剤は平成28年10月末まで7回行われました。副作用が大きかったことから、患者様は抗癌剤を休みたいと希望されました。
平成28年10月(121.5か月後)のCEAは75.1 ng/mlまで上昇しました。

 

平成28年11月(123か月後)免疫の状態を確認するためにサイトカインの検査を行いました。その結果はIL-12が7.8 pg/ml以下(7.8以上が良好)、IFNγが1.5 IU/ml(10以上が良好)となっており、免疫力は著しく低下している状態でした。

平成29年1月から抗癌剤が再開され、同年2月に背部の皮膚転移の痛みが強まったことから、皮膚転移に対して放射線治療が行われました。同月末に行われた抗癌剤でアレルギー反応が出たため、次月からゼローダ+アバスチンを行うことになりました。


平成29年4月、食欲が低下し腹痛が出ていると報告を受けました。抗癌剤を延期することを検討しました。

今後も、大学病院、公立病院と連携を取りながら患者様のご希望に沿いながら治療をすすめていきたいと考えております。

 

 

S状結腸癌(大腸癌) 肝多発転移の術後有効例 当院治療10年8か月経過(PDF)

仕切り
新免疫療法によるがん治療の『TOP』に戻る
新免疫療法の『治療』に戻る
新免疫療法の『症例一覧』へ戻る
仕切り
Copyright(C) 2006-2017 Orient mitaka clinic All Rights Reserved.